2015-07-01から1ヶ月間の記事一覧

珈琲時光、消された上田時代           江文也その3

台湾で『珈琲時光』という映画がつくられたのは、2004年のことだ。1980年代から台湾映画を引っ張ってきた侯孝賢(ホウ・シャオシエン)監督の作品だ。このなかでストーリーの伏線として江文也の名が出てきたために、日本では、長らく忘れられていた江文也が…

ビーツ を収穫

一見草だらけの私の畑でも、野菜は育っている。 今日はビーツを収穫した。私はビーツと香菜(シャンツァイ)を食べたいばかりに、畑仕事をしているのかも知れない。いちばん大きいビーツをひとつ収穫する。こうやって大きくなった順に1個ずつ取って食べるの…

江文也、上田での少年時代      江文也その2

1923年9月7日、江文也は兄と二人で上田駅に降り立った。江文也はこのとき13歳。ほぼ一月前の8月4日に母を亡くし、その3週間後には廈門の父の元を離れ、12日間の長旅の末に上田に到着したのだった。江兄弟は上田で、父の知人である山崎あき宅に身を寄せ…