梅雨寒  新型コロナウィルスの日々

 


 今日は6月21日日曜日。1週間のニュースをまとめて解説したり議論したりするテレビ番組を見ていたら、新型コロナウィルスのことは最後の方で数字の情報だけが知らされた。現在世界の感染者は873万人。一番多いのがアメリカで224万人、次がブラジルで103万人だそうだ。大変な数だ。だが日本は、いまだに感染者数が全体で17000人あまりなどと言っている。どうやら関心もしだいにうすれている感じがする。


 とは言っても日本の実情は、いまだによくわからない。長らく指摘されているPCR検査の不徹底はそのまま続いている。だから実数が不明で憶測が飛び交う。政府が集めた専門家会議のメンバーでさえそうらしく、実際の感染者数はたぶん発表されている数の10倍だろう、いや100倍かも知れない、と専門家の誰それが言ったなどという噂が流れている。


 それなのに、感染者が一番多い地域とされる東京が、つい2日ぐらい前に移動の自粛解除に踏み切った。つまり東京在住者も大手を振ってどこへでも行けますよ、ということだ。いまでも連日30人40人と、新たな感染者数が発表されているにもかかわらず、だ。これはたぶん、目前に迫った都知事選に向けての現職知事の人気取りのための施策であろう、と、これも噂である。そう、この国はどこまでも曖昧な非論理的な国なのだ。


 そう嘆きつつも、規制が緩んだせいだろう、この小さな町にも人の姿が増えた。するとなんとなく気分も華やぐ。東京ナンバーの車が増えて、やはり怖いわねえ、などと言いつつも、気分が軽くなるのはたしかだ。しかもつい10日ほど前まで時ならぬ猛暑日に辟易していたというのに、ここ数日は爽やかというより肌寒いほどの梅雨寒が続いていて体を動かすには快適だ。とはいえここの寒さときたら、カーディガンを羽織るくらいでは足りない。連れ合いはストーブをつけて、私に消せと叱られた。そんななかで21日の今日は夏至、1年で一番昼間の長い日だから夕方の散歩が楽しめる。しかも夕方5時ごろには部分日食がみられるという。南の方ほどかける部分が大きいらしく、台湾あたりだと金環食だというからうらやましい。


 さて、梅雨寒も手伝って私は思わぬ発見をした。2週間ほど前の暑かった日、夕方になって近くの城址公園の馬場で、久しぶりに走ってみた。これからもっと暑くなったら走れなくなるからいまのうちに、というくらいの気分だった。するとなんと、以前と同じように馬場を10周できてしまった。つまり3キロのジョギングができたわけだ。そこへ梅雨寒だ。さてこれをどう活かそうか、と馬場で準備運動をしながら考える。そして気まぐれに全力疾走をしてみた。この日は1周だけだ。ところがその日のよく眠れたこと。子供時代の熟睡が戻ったような気分だった。それで調子に乗って、今日はなんと3周半。1キロちょっとを全力疾走した。はたから見たら、よちよち走っているように見えるだろうことは承知のうえだ。いいのだ、私にとっては全速力なのだから。そう、思わぬ発見というのは、人間、いくつになっても走れるらしい、というごく単純な発見なのだが。