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神話をつくる人々

台湾では清朝の統治時代に、強奪にも等しい土地取得が横行した。清朝政府が発給した墾照という一片の証明書を盾にして、権力者が好き勝手に土地を私有化した。私有地を膨れ上がらせた権力者たちはそれを守るために私兵を雇い、弱肉強食の争いを繰り広げた。

 

これに勝利した者たちが、豪族となり、由緒ある旧家などと呼ばれるようになっているわけだが。彼らはこういう行為を隠蔽したいという気持ちが無意識のうちに働くのだろう、子々孫々にわたって祖先の遺徳をしのばせるための神話を、親族内で語り伝えている例がよくみられる。

 

ある旧家に伝わる話。昔々、日が暮れてからみすぼらしい旅人が一夜の宿を請うて戸口に立った。どこの家でも断られて困り果て疲れ果てていた。その家の祖先は旅人を招じ入れて温かくもてなし一夜の宿を与えた。翌朝、旅人の部屋を見てみると彼の姿はなく、かわりに葛籠が置き去りにされていた。開けてみると金塊がいっぱいに詰まっている。祖先はそれを天与の贈り物としていただき、土地の権利を次々と買い取って、以来豪族として代々繁栄してきたという。

 

やはりどの国でも、どの家でも、こうした類の話は眉唾なのですねえ。