映画

映画『馬三家からの手紙』への疑問   ドキュメンタリー制作者の矜持とは?

『馬三家からの手紙』というドキュメンタリー映画がある。 馬三家というのは、中国の馬三家労働教養所のことだ。思想犯が捕らわれて過酷な拷問を受けつつ取り調べられ、強制労働に従事している。映画の監督およびプロデュースはカナダ在住のレオン・リー、20…

映画『アラバマ物語』 

新型コロナウィルス感染がひろがっている。いまや感染の中心はヨーロッパだ。全世界で感染者は40万人。WHOはパンデミックを宣言し、ついでパンデミック加速中の警告を発した。高齢者は感染したら重症になりやすいということなので、私も用心して家にいる時間…

『軍中楽園』 国家が抱える虚無をあぶりだした力作 

台湾映画『軍中楽園』(2014年 ニウ・チェンザー監督)は、中華民国国軍が軍隊内で運営していた娼館を描いている。スキャンダラスになりがちなテーマに正面から取り組んで、ニウ・チェンザー監督が描こうとしたのは何だったのか。 監督はこの作品について、…

ある終焉 看取ることの辛さ

この暑さのなか、長野市まで映画を見に行った。ゆっくり走るローカル列車で1時間ほどだが、長野市はここより気温が4、5度は高い。なにもこんなときに、と思わなくもないが、映画ばかりは見たい時に見ないと、、、とやはり出かけた。 「ある終焉」(ミシェ…

カルテル・ランド

夏風邪とはいえ、私としては珍しく38度の熱が2日ほど続いた。普段の生活では考えないようなことも考えた。頭がふわっとする感じが残っているので、自分では病み上がりだなと思っている。 なのに、病み上がりの身としてはちょっとハードな映画、マシュー・ハ…